【1月16日 AFP】2007年のフランスの出生率が、アイルランドを超えて欧州1位となった。一方、結婚していない両親から生まれた子ども(非嫡出子)が半数を超えたことも分かった。フランス国立統計経済研究所(INSEE)が15日、発表した。

 出生率は、1人の女性が一生の間に生む子どもの数の平均値。2007年のフランスの出生率は1.98で、アイルランドの1.90を上回った。欧州連合(EU)諸国全体の平均出生率は1.52だった。

 一方、1965年にはわずか5.9%に過ぎなかった非嫡出子の割合は、2007年には50.5%と、前年の48.4%から増加し、誕生した子どもの半数を超えた。

 社会学者Irene Thery氏は仏大衆紙パリジャン(Le Parisien)に対し、「革命的変化の論理的帰結だろう。家族を形作るのは徐々に、結婚ではなく子どもになりつつある」と語った。

 同国の出生率は、出生率が1.66にまで落ち込んだ1993年を境に上昇傾向に転じた。しかし、将来的に現在の人口を維持する出生率水準(人口置換水準)の2.07には若干足りていない。

 公立学校に3歳児から入学できるなど出産を支援する公共政策や、乳幼児を親族に預けやすい環境などが出生率上昇に寄与しているとみられる。

 2007年のフランスの新生児数は81万6500人で、同国の出生率は、節目となる2.0を超えた2006年からはやや減少した。2008年1月1日現在で、海外領を含めた同国の人口は約6375万3000人と、前年から40万人増加した。初産の平均年齢は29.8歳と、年々上昇している。

 高い出生率にもかかわらず、高齢化は進んでいる。1994年には15.0%だった全人口に占める65歳以上人口の割合は、2007年には16.3%に増加した。

 2007年の女性の平均余命は84.4歳と、欧州で最も長い。男性は77.5歳で、男女ともに前年から3か月伸びた。(c)AFP