【12月28日 AFP】世界保健機関(World Health OrganisationWHO)は27日、鳥インフルエンザのヒトからヒトへの感染をパキスタンで初めて確認した。なお、感染が拡大する危険性はないという。

 分析の結果、患者の1人が、鳥インフルエンザに感染した家禽(かきん)類への接触がなかったにもかかわらず、高病原性鳥インフルエンザA(H5N1)に感染していた。WHOのJohn Rainford報道官は、「これは限定的なヒト間の感染を示唆するものだ」と語った。

 WHOは、家族や病院関係者など、感染者と接触のあったすべての人間に症状は出ておらず、医師による厳重な監視体制も解除されているとして、今回のパキスタンの感染例に関して、予備検査ではヒト間の感染が拡大している証拠はないとの声明を発表した。

 鳥インフルエンザのヒト間の感染は最近の数か月間で、カンボジア、インドネシア、ベトナムで報告されているが、感染者は1人までに限られている。中国でもヒト間の感染が疑われる事例があったが、同国当局はこれを否定している。(c)AFP