【12月21日 AFP】(一部修正)子どもの肥満解消のために任天堂の次世代ゲーム機Wii(ウィー)を購入した親には残念なニュースだが、Wiiでは子どもの肥満を防げないとする研究を、英国中西部リバプールジョンムーア大学(Liverpool John Moores University)の研究チームが発表した。

 研究では13-15歳の男女11人を対象に「Wiiスポーツ」のボーリング、テニス、ボクシングと米マイクロソフト(MicrosoftXBOX 360の「プロジェクト ゴッサム レーシング3」の計4種類のゲームで遊んでもらい、エネルギー消費量を測定。被験者は各ゲームを5分間の休憩を挟んで15分間ずつ、計1時間プレーした。

 その結果、Wiiのエネルギー消費量はXBOXより51%多いことが分かった。しかし、数値にするとWiiがXBOXを上回ったのは1時間当たり60カロリー。これはチョコレートバー1本のカロリーの4分の1に過ぎない。

 研究チームは「被験者が通常通りゲームをしたとして、活動的なゲームを選んだ場合でも、受動的なゲームとの総エネルギー消費量の差は1週間で2%未満だ」とする。ただ、いくら差が「微少」でも体重管理に効果がある可能性は認めた。また、基本的な運動能力を鍛えるゲームは10代の子どもに良い効果があるという。

 研究チームは「最近の子どもの肥満傾向を考慮すれば、少しでも効果のあるゲームで遊ぶことは良いことだ」とする一方、「Wiiスポーツで消費されるエネルギーは子どもに推奨される1日の運動量には及ばない」ため、屋外でのスポーツが一番だと強調している。

 研究結果は英医学誌British Medical Journalの12月22日号に掲載される。

(c)AFP