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世界エイズデー、HIV感染者数減少も「ウイルスとの闘いに勝ったわけではない」

  • 2007年11月30日 23:37 発信地:パリ/フランス
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コートジボアール南部アビジャン(Abidjan)の病院で横たわるHIV感染患者(2003年12月1日撮影)。(c)AFP/ISSOUF SANOGO

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【11月30日 AFP】12月1日に20回目の開催を迎える世界エイズデー(World AIDS Day)。今年、世界各国の保健機関が闘うべき相手は、現状満足の風潮だ。今なお1日に6000人がエイズ感染により死亡していると各国機関が警告する一方で、国連合同エイズ計画(UNAIDS)は全世界のHIV感染者数を大幅に下方修正する年次報告を発表し、救命治療薬の開発も着々と進められている。

 エイズ対策活動家らは、アフリカ全土でのウイルスのまん延、アジア諸国や旧ソ連圏への感染拡大、性産業従事者や薬物依存患者、同性愛者といった最も被害をこうむりやすいコミュニティでの感染者増加に懸念を示している。 

■エイズ対策は一定前進

 一見すると、2007年は心から世界エイズデーを祝うことができる年にも見える。だが専門家らは、そうした楽観主義に警告を発する。UNAIDSは11月20日に発表した年次報告の中で、世界人口に占めるエイズ感染者の割合が減少したことを明らかにし、エイズ感染のピークは1990年末だったとする見解を示した。

 報告書によれば、2007年時点のエイズ感染者は全世界で3220万人。データ集計方法の見直しにより、前年発表の推定数3950万人から大幅修正された。2007年に新たに感染した患者も、90年代後半の300万人から、約250万人に減少している。

 エイズ感染者の3分の2が居住するアフリカ諸国で続けられてきた抗レトロウイルス薬の提供も、ようやく実を結び始めた。

 世界保健機関(WHO)によれば、2006年末の時点でそうした治療薬を投与されたのは前年比54%増の200万人以上に達した。

 こうしたデータから、かつては死の宣告に等しかったエイズが、治療可能な慢性疾患になったとみる人もいるだろう。

■専門家は楽観論を警戒

 だが専門家らはそうした見方を危険な妄想と一蹴する。

 米国際開発局(US Agency for International DevelopmentUSAID)のジェームズ・シェルトン(James Shelton)氏は、1日の英医学誌ランセット(The Lancet)で「世界各地でエイズ対策が大々的に進められているが、まだウイルスの闘いに勝ったわけではない」と厳しい見解を示している。

 シェルトン氏によれば、治療薬が投与されているのは患者の約10%に過ぎず、途上国では治療を開始した人の数を、新たに感染した人の数が上回っているという。

■エイズ対策予算は大幅に不足

 そうした問題の背景にあるのが、予算の不足だ。国連(UN)によれば、エイズ対策費は現在、年間80億ドル(約8900億円)不足している。「2010年までに全世界の患者に抗レトロウイルス薬を普及させる」という主要8か国(G8)首脳会議の目標を達成するには、420億ドル(約4兆6500億円)が必要とされるが、現時点の予算は154億ドル(約1兆7050億円)しかない。

 今後のエイズ対策についてランセット誌は論説の中で「ウイルスのまん延がサハラ砂漠以南のアフリカと、世界各地の被害をこうむりやすいコミュニティの2か所で起こる」とし、画一的な対策では成果を上げられないだろうとしている。(c)AFP/Marlowe Hood

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