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心不全患者に朗報、適度な運動が筋損傷を修復

  • 2007年11月20日 17:10 発信地:シカゴ/米国
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シンガポールで、サイクリングマシンを使ってトレーニングを行う肺移植患者(2000年12月21日撮影)。(c)AFP

【11月20日 AFP】米フロリダ(Florida)州オーランド(Orlando)で7日に開かれた米国心臓協会(American Heart AssociationAHA)の学会で、心不全患者特有の症状である筋肉損傷の修復に、適度な運動が役立つとする2つの研究結果が発表された。

 研究チームを主導したのは、ドイツのライプチヒ大学(University of Leipzig)のアクセル・リンケ(Axel Linke)医学助教授。

 心不全により、心臓が体内の器官に血液を送る能力が低下する結果、筋肉中の新しい細胞や血管がぜい弱化したり、萎縮したりすることがある。しかし規則的な運動を持続することで、それらの細胞や血管の発達を促進できるという。

 リンケ助教授は、「心不全患者の場合、運動療法は健康状態の回復につながると同時に、体力増強にも寄与し、筋肉損傷の治癒も促してくれる」と説明した。
 
 発表された研究の1つは、毎日の運動によって、被験者の筋肉組織中の神経前駆細胞が急増するとしている。

 神経前駆細胞は、骨格筋中に未熟細胞のプールを構成し、この未熟細胞が筋肉修復に必要なさまざまな成熟細胞に分化する。心不全患者では通常、この神経前駆細胞が健常者の半分しかない。

 研究では、軽度から重度の心不全患者を対象に、1日に約30分間、サイクリングマシーンでのトレーニング(患者の最大運動能力の半分程度)を行ってもらった。その後、患者らの大腿四頭筋の生体組織を検査したところ、6か月間で神経前駆細胞値が100%増殖していた。

 リンケ助教授は、「運動によって、神経前駆細胞値がほぼ正常になった。細胞は再び分化を始め、やがて筋肉細胞に分化した。これにより、心不全患者に必要な筋肉細胞の置換が達成される仕組みだ」と指摘した。

 この運動実験には25人の心不全患者が参加した。対照として参加した同じような健康状態の心不全患者25人は、6か月の運動を行わなかった。その結果、後者では神経前駆細胞に変化がみられなかった。

 研究チームによると、運動治療が心筋にも同じような効果をもたらすかどうかは分かっていないという。

 もう1つの研究では、やはり運動治療により、重度の心不全患者の血管損傷が改善されることが明らかになった。運動が未熟細胞の成熟細胞への分化を促し、損傷した血管の修復、新たな血管の形成を助長する仕組みだ。

 12週間の運動治療に参加した60代の心不全患者の組織サンプルを検査したところ、治療開始前に比べて未熟細胞が著しく増殖していた。また、毛細血管の密度も治療開始前と比較して17%高まっていた。

「症状の度合いにかかわらず、運動治療は心不全患者の筋肉損傷に寄与すると言える」とリンケ助教授は語り、新たな治療方法に期待を寄せた。(c)AFP
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