【10月29日 AFP】妊娠初期であっても喫煙していた女性の子どもは、喫煙しなかった女性の子どもに比べて、肥満になる確率が3倍近く高いという研究結果が、山梨大学(Yamanashi University)医学部の山県然太朗(Zentaro Yamagata)教授率いる研究チームにより発表された。

 研究では母親の妊娠時の喫煙と子どもの肥満率について正確な相関関係は示されていないが、喫煙者の子どもは、母胎にいるときに栄養を奪われるためという一説がある。

 また同じ研究で、妊娠中に朝食を抜く習慣のあった女性の子どもは、肥満になる確率が2.4倍高くなるという結果も得られた。

 研究では1991年4月~1997年3月に出産した女性約1400人を対象に、約10年にわたる追跡調査を行い、生まれた子ども約1000人のデータを小学校4年生(9~10歳)になるまで収集・分析した。

 調査の結果、妊娠3か月ないしそれ以前の時点で喫煙していた女性の子どもは、小学校4年生で肥満になる確率が、非喫煙者の子どもに比べて2.9倍高いと分かった。

「妊娠中の喫煙が、たとえ初期であっても、子どもの健康状態に長期にわたって影響を及ぼすことを示唆するもの」だと山縣教授は言う。

 母胎にいるときに栄養不足だと、生まれてから栄養を蓄えやすくなるという推測が成り立つという。

 妊娠中の喫煙と子どもの肥満の関連についてはすでに世界各地で研究されているが、同じグループを対象に子どもが10歳になるまで継続的に追跡調査した研究は世界的にも珍しいという。

 この研究結果は前週、四国で行われた公衆衛生学会で発表されたもので、12月に北米の専門誌に掲載される。(c)AFP