【9月24日 AFP】致死性の高病原性鳥インフルエンザA(H5N1)型のウイルスを、30分以内で解析する検査方法が、米科学誌「ネイチャー・メディスン(Nature Medicine)」で発表された。

 新たな検査方法は、シンガポールのバイオ工学・ナノテクノロジー研究所(Institute of Bioengineering and Nanotechnology)のJuergen Pipper氏率いる研究チームが開発した。「あらゆる種類のインフルエンザの世界的流行の防止に向けた取り組みを後押しする、飛躍的な発明」だとしている。

 現在の検査は、ウイルスを分離するのに時間がかかり、結果が判明するまでに数時間から数日を要する上、検査費も高額だ。だが、新たな検査方法は「感度は従来の検査法と同等で、検査速度は440%増、価格は2000-5000%減」だという。

 鳥インフルエンザの流行に対処するうえで重要なのは、発生後すぐに感染個体を識別、隔離して、感染の拡大を防止することだ。最初の20例以上に感染が拡大しない、または1例目が発生した後3週間以内に封じ込めに成功することが最善のシナリオとされる。そのためには、安価かつ正確な簡易検査装置が求められていた。

 研究チームは、従来より小型の検査装置を開発、試作品でH5N1型ウイルスをサンプルとした実験を行ったところ、28分以内に正確な検査結果が得られた。

 同研究者らは、この技術を利用して、エイズ(AIDS)やB型肝炎、重症急性呼吸器症候群(SARs)の原因となるウイルスをも検出できる可能性があるとしている。(c)AFP