【9月23日 AFP】(写真追加)英環境・食糧・農村省(Department for Environment, Food and Rural AffairsDEFRA)が22日、サフォーク(Suffolk)州イプスウィッチ(Ipswich)近郊で飼育されている牛1頭から「青舌病(bluetongue)」のウイルスを検出したと発表した。同ウイルスの検出は、英国では初めて。

 同省のFred Landeg氏がテレビ局の取材に対して語ったところによると、青舌病にかかった牛が見つかったのは、牛と羊が飼育されている農場。同氏やDEFRAの発表によると、この牛は殺処分にされ、同じ農場で飼われている動物については、感染の有無を調べるための検査が行われる。さらに、農場の敷地には規制が敷かれるという。

 英全国農業者連盟(National Farmers’ UnionNFU)のピーター・ケンダル(Peter Kendall)会長は、英国放送協会(BBC)に対し、青舌病の発生が「口蹄疫(Foot-and-Mouth disease)ほど深刻な問題でないことは間違いないが、われわれにとっては大きな懸念事項だ」と語っている。

 同会長によれば、青舌病は虫を媒介して感染する病気で、動物から動物に感染することはないという。

 BBCによると、ゴードン・ブラウン(Gordon Brown)首相は労働党(Labour Party)の年次党大会出席のため向かった南部の保養地ボーンマス(Bournemouth)に到着した後、簡単な報告を受けた。

 Landeg氏は、青舌病は動物だけに感染する病気でヒトには感染しないが、複数の型のウイルスについては、特に羊に対する感染力が強い可能性があると語る。どの型のウイルスがそれにあたるのかは、まだ判明していないという。

 英政府は今月上旬に口蹄疫感染の終結を宣言したが、その数日後に新たな感染事例が確認されている。青舌病という脅威の出現は、口蹄疫ウイルスの対策に追われる畜産農家にとって新たな打撃となる。(c)AFP/Lachlan Carmichael