【8月28日 AFP】米国では成人の3分の2、子どもの約2500万人が肥満や太りすぎで、健康が損なわれるだけでなく、国の経済競争力も脅かされているとの報告が27日、発表された。

 報告を発表したのは、保健問題に関する提言を行っているNPO団体、米保健トラスト(Trust for America’s HealthTFAH)で、今回の報告は4回目となる。それによると、「過去1年で肥満率は31州で上昇を続け、国民の85%が肥満は流行病並みにまん延していると感じている」という。

 全米の成人肥満率は過去25年で倍増した。1978-80年には15%にすぎなかったが、2003-04年には32%まで上昇した。また、子どもの肥満率は同期間で3倍以上に増えた。

 偏った食事や運動不足により、米国人は糖尿病、心疾患、脳卒中に加え、がんを患う危険も高まっているという。

 報告は「現代の子どもは初めて、両親より寿命が短く、不健康な世代となるだろう。約2500万人の子どもがすでに肥満か太りすぎだ」と述べ、労働生産性低下にもつながる肥満のまん延を防ぐために、全米を挙げて「新たな、そして大々的な変化」が必要だと警告。「労働者の健康悪化と生産性低下に伴い、米国の経済競争力が損なわれつつある。肥満に絡む医療費が事業の収益性を低下させている」と警告している。(c)AFP