2005年2月11日、ドイツのマグレブルク(Magdeburg)で、多発性硬化症などの診断に用いられる核磁気共鳴断層撮影装置を操作するライプニッツ神経生物学研究所(Leibniz Institute for Neurobiology)の職員。(c)AFP/DDP/JENS SCHLUETER
【7月31日 AFP】難病の多発性硬化症(multiple sclerosis、MS)にかかるリスクを最大30%高める2種類の遺伝子変異を確認したとする論文が29日、医学専門誌「Nature Genetics」と「ニューイングランド医学ジャーナル(New England Journal of Medicine、NEJM)」に、同時に発表された。
米デューク大学(Duke University)と英ケンブリッジ大学(Cambridge University)の共同研究で、多発性硬化症に関する研究としてはここ数十年で最大のもの。
多発性硬化症は、中枢神経系の神経線維の細胞を電線の絶縁被膜のように保護しているミエリン(myelin)とよばれる脂肪質のカバーが、免疫システムによって破壊され、神経の情報がうまく伝わらなくなることによって起こる。発病すると運動障害、しびれ、疲労、感覚障害、言語障害、視力障害などの症状が出る。
発症に関係することがこれまで知られていた遺伝子変異は、免疫システムをコントロールする「主要組織適合性遺伝子複合体(Major Histocompatibility Complex、MHC)」と呼ばれる、6番染色体上の変異。
それが病気の原因となることは1970年代中頃には特定されていたが、複雑な性質をもつ多発性硬化症には、他にも原因があるのではないかとして研究が進められていた。
今回特定された変異は、5番染色体上のインターロイキン7受容体α(IL7R-alpha)と、10番染色体上のインターロイキン2受容体α(IL2R-alpha)で発生し、IL7R-alphaでは1か所、IL2R-alphaでは2か所の遺伝子情報が変異することで発症のリスクが20%~30%高まるという。
「これまで知られていた遺伝子的要因だけでは、多発性硬化症の原因の半分も説明できなかったため、今回の発見は非常に重要だ」と、研究に参加したデューク大学の遺伝子学者サイモン・グレゴリー(Simon Gregory)氏は語る。 (c)AFP
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