【6月29日 AFP】エイズ(HIV/AIDS)ウイルスに感染した細胞からウイルスを除去できる酵素を開発したとする論文が、28日発売の米科学誌「サイエンス(Science)」に掲載された。エイズは世界中で4000万人以上が感染し不治の病とされており、このニュースはエイズ治療における「一筋の光」となっている。

 ハーバード大学(Harvard University)のダナ・ファーバー癌研究所(Dana-Farber Cancer Institute)のアラン・エンゲルマン(Alan Engelman)氏率いる研究チームは、HIVウイルスのDNAを攻撃する酵素を開発し、感染した細胞に注入。3か月後、エイズウイルスだけを除去することに成功した。ただし、実用化にはほど遠い段階という。

 エイズウイルスは体内で増殖と細胞破壊を繰り返すことから、治療は難しく、現在はもっぱら、ウイルスの進行を抑制して発症を遅らせることに力点が置かれている。(c)AFP/Mira Oberman