【6月20日 AFP】ヒンズー教強硬派の与党、インド人民党(Bharatiya Janata PartyBJP)が政権を握る同国中央部のマディヤプラデシュ(Madhya Pradesh)州で、新発売されたバイブレーション・リング付きのコンドームが大騒動を巻き起こしている。

 問題のコンドームはCrezendoとの商品名で半年前に発売されたもので、コンドームの基部に収まるように設計されたリングに、小型バッテリーで動くバイブレーター・リングが付属している。

 同州州政府は、Crezendoは「大人のおもちゃ」であり、「家族計画やエイズ対策を支援するものではない。インド文化に反するため禁止すべきだ」としている。同州のKailash Vijayvargiya公共事業相は、「バイブレーターのように快楽の道具として使われるならば、コンドームは大人のおもちゃであり、インドでは大人のおもちゃは禁じられている」と述べた。

「法を侵害するものだとみなされれば、またインド文化を侵害するものだとの結論に達した場合でも、われわれは確実に禁止する。州政府が奨励すべきは家族計画であり、大人のおもちゃではない。エネルギーを維持し、増強するヨガを奨励すべきだ」

 現在、Shivraj Singh Chouhan州首相と対応について検討中だという。ヒンズー色の濃い同州では今年初め、学校での性教育を禁止した。

 発売元企業の代表Mukesh Gupta氏は、Crezendosはインドに安全なセックスを奨励する新たな道を提供するだけだとしている。人口約11億人のインドでは、HIV/AIDSウイルスの感染者数が世界最高だ。「これは大人のおもちゃではない。喜びを高めるだけのもので、人々はそれを強く欲している」とGupta氏は述べた。