【5月30日 AFP】世界保健機関(World Health Organisation、WHO)は29日、受動喫煙による害を防ぐため、公共施設と職場を屋内全面禁煙にするよう勧告した。

 WHOのマーガレット・チャン(Margaret Chan)事務局長は、「受動喫煙には安全基準などない。既に多くの国が行動を起こしており、世界中の国が屋内全面禁煙に踏み切るように求めたい」と述べた。

 WHOの推計によると、世界で年間20万人が職場での受動喫煙で死亡している。また、欧州連合(EU)加盟25か国における2002年の受動喫煙による死者数は約8万人にのぼっている。

 WHOと米疾病対策センター(CDC)が、世界132か国の13歳から15歳までの青少年を対象に、1999年から2005年までに実施した共同調査によると、青少年の約44%が自宅で、56%が公共の場で、それぞれ受動喫煙を経験していた。また、「公共の場所では禁煙すべき」と答えた子供は、75%以上にのぼった。

 アイルランドは、2004年に世界で初めてパブ、レストラン、駅などの公共施設を屋内全面禁煙にする法律を施行。イタリア、ニュージーランド、ノルウェー、ウルグアイでも同様の法律が施行されている。

 WHOは、31日の世界禁煙デー(World No Smoking Day)を前に、受動喫煙の危険性を訴えていきたい考えだ。(c)AFP