【5月28日 AFP】英国のがん研究機関「Cancer Research UK」の研究チームは27日、乳がんの原因とみられる4つの遺伝子を新たに特定したと発表した。論文は英科学誌「ネイチャー(Nature)」に掲載された。

 研究チームが特定した遺伝子は「FGFR2」「TNRC9」「MAP3K1」「LSP1」の4つ。遺伝性乳がんを引き起こすと考えられる遺伝子のうち、これまで25%が特定されていたが、今回の発見でさらに4%の遺伝子が特定されたと考えられている。

 研究チームは、健康な人と乳がん患者が半数ずつの計約5万人の女性から採取したDNAを分析。乳がん患者グループから採取したDNAの特徴を調べたことで、4つの遺伝子が浮かび上がった。

 乳がんの5~10%は遺伝的な原因で発生し、残りは喫煙などの生活習慣や、環境要因によると考えられている。

 今回特定された4つの遺伝子に異常をもつ人は健康な人にも多いが、これら4遺伝子の異常によりがんを発症する危険は比較的低いという。このためCancer Research UKは、がん検診の対象にする必要性は薄いとの見解を示している。

 もっとも、こうした遺伝子がさらに発見されれば、異常がある遺伝子の組み合わせを検査することで、乳がんの予防、診断、治療に役立つ可能性もあるという。