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脳疾患による記憶障害、将来の治療に一筋の光 - フランス

  • 2007年04月30日 15:29 発信地:フランス
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写真は、フランス・リヨン(Lyon)の病院の神経科病棟。(c)AFP/JEAN-PHILIPPE KSIAZEK

【パリ 30日 AFP】将来、アルツハイマー病などの進行性脳疾患による記憶障害を薬物治療によって回復させることが可能になるかもしれない。そんな研究結果が29日、英科学誌『ネイチャー(Nature)』で発表された。

 この論文はマサチューセッツ工科大学(Massechusetts Institute of Technology、MIT)のLi-Huei Tsai教授が主導する研究チーム5人によるもの。研究チームによると、症例によっては「記憶障害」という定義そのものが誤った呼び方となる可能性もあるという。

 たとえば病気のせいで失われたファーストキスの思い出も、実際はただ神経経路が遮断されたため、記憶にアクセスできなくなっただけかもしれない。

 実験では、遺伝子操作でヒトの認知症と同じタイプの脳障害を持った状態にしたマウスが、以前の記憶を取り戻すことに成功したという。

 リハビリ期間に精神的な刺激を与えると、マウスは脳の神経経路の一部の損傷が原因で「忘れていた」タスクを行えるようになった。同様の回復効果が薬物治療でも見られた。

 同様の治療方法がヒトにも適用できるかどうかについては実証されていないものの、今回の研究はいくつかの神経障害について「患者の長期記憶が回復する可能性」のあることを示唆している。

 神経変性疾患は、身体の動きや記憶の蓄積をつかさどる脳や脊髄の一部で発症する。脳細胞は機能が低下したり壊死(えし)した場合には再生しない。ただし、先行研究で精神を刺激する活動や薬物投与などによって健康な神経細胞を活性化し、再構成が可能なことが分かっている。

 Tsai教授の一連の研究成果は、進行性脳疾患によって発生した「重大な脳委縮と神経細胞の欠損」を同様の手法で補うことで、神経経路が遮断されたためにアクセスできなくなった記憶の「解放」が可能であることを証明する画期的な実証結果となった。

 写真は、フランス・リヨン(Lyon)の病院の神経科病棟。(c)AFP/JEAN-PHILIPPE KSIAZEK
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