写真はカリフォルニア(California)州サンディエゴ(San Diego)の商店に並べられた栄養ドリンク(2006年11月10日撮影)。(c)AFP/Earl S. CRYER
【ワシントンD.C./米国 13日 AFP】米国では、カフェイン入りの栄養ドリンクの売れ行きが急激に伸びている。しかし栄養学の専門家からは、カフェインの過剰な摂取を危惧する声が聞かれる。
■成長著しい市場、大手メーカーも競争に参入
業界紙「Beverage Digest」によると、栄養ドリンクの2005年の国内消費量は、前年比80%増の35億ドル(約4100億円)に上った。今後も強い伸びが期待できるという。また、欧州、アジア、中東および中南米でも急成長しているという。
最も売れている栄養ドリンクは、オーストリア企業「レッドブルRed Bull」が20年前に国外で販売を開始し、1997年に米国市場にリリースした「レッドブル」。同紙の統計では、2005年に全世界で25億本を販売し、米国では37.4%のシェアを誇る。ちなみに、2位は22.3%のシェアを持つMonster Energy Drink。
また、近年はコカコーラ(Coca-Cola)やペプシコ(PepsiCo)など大手がそれぞれ「Vault」「Josta」の販売に乗り出しており、競争はますます熾烈化している。Beverage Digest紙のJohn Sicher編集員によると、栄養ドリンク市場は規模は小さいが、高単価(1本あたり約230円)から得られる利益は相当額にのぼるため、飲料メーカーと小売店は「重要な市場」に位置づけているという。
■過激な広告、SNSなどで評判も拡散
栄養ドリンクは、若者層をターゲットにしたものが多く、「ロックスター(Rockstar)」や「フルスロットル(Full Throttle)」、果ては「コカイン(Cocaine Energy Drink)」といったスリルあふれる名前のものが多く出回っている。
ラスベガス(Las Vegas)のRedux Beveragesが販売する「コカイン」のキャッチフレーズは、「(本物のコカインに代わる)合法的な選択肢」。同社を含め、各社はネット上に派手なバナー広告を打ち、実際に飲んだ消費者の反応は「MySpace」などのソーシャルネットワーキングサービスを介して大々的に流布される。
なお「コカイン」は、1100ミリグラム以上のカフェインを含んでいるという。この数値は、スターバックス(Starbucks)のLサイズのコーヒーをわずかに上回る量で、栄養ドリンクの中では最大量だという。それに加え、タウリン、アミノ酸、ガラナ(南米産の興奮剤の一種)、ビタミンなども配合されている。
しかし専門家らは、どんな栄養素でも一定の値を超えて含有されると効果はなくなると指摘する。ニューヨーク大学(New York University)で栄養学を教えるMarion Nestle教授は、「現在はキャンディーにもカフェインが含まれている時代。子どもたちは充分興奮しているし、余分な砂糖やカフェインでこれ以上興奮させる必要はない」と語る。
写真はカリフォルニア(California)州サンディエゴ(San Diego)の商店に並べられた栄養ドリンク(2006年11月10日撮影)。(c)AFP/Earl S. CRYER