【パリ/フランス 4日 AFP】「60億人の世界人口のうち10億人が肥満。しかし十分な食事を摂れない人は8億人いる」「肥満のうち30%が医学的に重度の肥満で、過度の肥満は将来的には健康や経済的な問題につながり社会に悪影響を及ぼす」「国による差はあっても肥満は世界的に広がっている」。世界保健機関(World Health Organization、WHO)が肥満に関してこのように指摘した。
■中国の一部の都市では肥満率20%
世界的に見ると、中国や日本、アフリカの一部の国々では重度の肥満の割合が人口の5%以下に抑えられている。
ところが、サモアの都市部では75%以上、米国の黒人などの特定層では45%と、肥満率が極端に高い。中国でも、一部の都市では人口の20%が重度の肥満と分類されている。
肥満の国際基準としては、体重を身長(メートル)の2乗で除した体格指数(BMI)が用いられる。例えば身長1メートル80センチで体重が90キロの場合、BMI値は27.8となる。BMIが25以上の場合は「肥満」、30以上の場合は「重度の肥満」に分類される。
■重度の肥満が多いのは米国と英国
米国では成人の30%に当たる6000万人が医学的に重度の肥満だ。
経済協力開発機構(OECD)によると、ヨーロッパでは一番重度の肥満の割合が高い国は英国で、人口の23%となっている。パスタの国イタリアでは、重度の肥満の割合は8%のみだった。
しかし、比較的肥満率の低いヨーロッパの国でも、重度の肥満は増加傾向にある。
人口が6000万人を少し上回るフランスでは、10年前には重度の肥満の人口が360万人に抑えられていたが、今日では590万人に増加した。欧州連合(EU)全体では、45%以上の2億人が、ある程度の肥満に分類される。
■50万人ずつ増える子どもの重度の肥満
専門家は、過体重や重度の肥満の割合が子どもたちの間でも高くなっていると警告する。
International Task Force on Obesityの最新の調査によると、EUで12歳以下で太り気味の子どもたちは1400万人にのぼり、そのうち少なくとも300万人は重度の肥満だ。その数は、毎年50万人ずつ増加している。
例えば、ポルトガルでは9歳から16歳の未成年者のうち30%が重度の肥満で、10年前の3倍に拡大した。アントニア・コレイア・カンボス(AntonioCorreia Campos)保健相は、「対策を打たなければ2050年には、ポルトガルの人口の50%が重度の肥満になるだろう」と警告している。
2006年に発行された米国医師会誌「(JAMA)」に掲載された連邦政府の調査によると、米国では6歳から19歳の未成年者の間で、肥満の割合が1980年から2002年で3倍に拡大している。
■発展途上国にも肥満が拡大
専門家は、発展途上国も肥満の問題を抱えていると指摘する。
例えば、WHOの調査によると、タイでは5歳から12歳の子どもの重度の肥満の割合は2年間で12.2%から15.6%に上昇した。
世界全体でも、欧米諸国で定着している座ることの多い生活スタイルや砂糖と脂肪、塩分の多く含まれる食事による重度の肥満が、発展途上国でも急増し始めていると専門家の間、また「第10回国際肥満会議(International Congress on Obesity)」で報告された。
重度の肥満の急増は、2型糖尿病や高血圧、動脈硬化、脳内出血、一部のがんなどの生活習慣病の増加につながっている。
写真は米国シカゴ(Chicago)中心部を歩く女性(10月19日撮影)。(c)AFP/JEFF HAYNES
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