【マドリード/スペイン 18日 AFP】スペイン北西部のガルシア(Galicia)地方で15日、飼育されていたミンク6500匹が動物愛護団体の手引きで「脱走」していたことが明らかになった。同地方の当局は現在、全力を挙げて逃亡中のミンクの捜索にあたっているという。近年、ヨーロッパ各地では逃がされて野生化したミンクが深刻な問題を引き起こしており、今回の事件で事態が一層悪化することが懸念されている。
ガルシア地方の政府当局の発表によると、逃がされたミンクの大半は、つかの間の自由を味わった後に死亡したと見られ、16日現在で全体の7割にあたる4550匹が死骸で見つかっている。
■餓死、凶暴化、生態系の破壊を招く
「毛皮の供給源として飼育されていたミンクは、野生の中で自らエサを捕ることに慣れておらず、ほとんどが餓死した」と政府の報道官は説明する。
一方、生き残ったミンクは攻撃的になり、素早く走り回りながら敵にかみつくようになるため、人間を含む地元の動物にとって危険な存在になりうると考えられている。
さらに専門家によると、今回逃がされたのは「アメリカミンク(American mink)」という種だが、これが野生化した場合、欧州に生息するヨーロッパミンク(European mink)が一気に絶滅する可能性もあるという。現在ヨーロッパでは、スペインオオヤマネコ(Iberian lynx)やチチュウカイモンクアザラシ(Mediterranean monk seal)などの動物が絶滅の危機にひんしているが、その中でも特に絶滅危険度が高いとされているのが、このヨーロッパミンクだ。
■犯行は過激な英団体か
当局はミンクを逃がした犯人をまだ特定できていない。だが、ガルシア地方では以前にも、英国の過激派動物愛護団体「British Animal Liberation Front」の犯行と目される同様の事件が起きている。
なお、スペインのほかにもスウェーデンなどが逃げたミンクによる生活への被害や生態系の破壊の阻止に取り組んでいる国。同国では前月、農場から2500匹のミンクが逃がされ、少なくとも50匹が車にひかれて死んだという。
写真はミンク(2004年1月30日撮影)。(c)AFP/JEAN-PIERRE MULLER