【ニューデリー/インド 19日 AFP】インド政府のエイズ対策機関は、HIV(HIV/AIDS)感染状況の監視を効果的に行うことを目的に、同性愛を禁止する法令の廃止を要求した。
国立エイズ管理機構(NACO)の高官はAFPの取材に対し、匿名を条件に次のように語った。
「男性と性的関係をもつ男性(MSM)はエイズ感染率の極めて高い集団である。我々はエイズ対策機関の立場から、同性愛を禁止する法令の撤廃を要求した。具体的には、エイズ活動家らによる同性愛を禁止する法令の改正を求める嘆願書を支持するため、同性愛合法化を推進する宣誓供述書をニューデリー(New Delhi) の高等裁判所に正式に提出した」
同性愛について語ることさえタブーとなっているインド。
刑法第377条では、「自然の摂理に反する、男性、女性、動物との性交渉」は禁止とされている。同条文により起訴されるケースはほとんどないが、警察はこの法律を利用して同性愛者に対する嫌がらせを行うという。
その結果、安全性について考慮したり、交渉する余地を相手に与えず、性急に性交渉を行うことになる。同性愛者コミュニティーでは危険な性交渉が行われ、HIV感染が拡大する可能性がある。
高等裁判所に対しNACOは、通常の男性の感染率は1%未満だが、同性愛者の感染率は8%以上と、具体的な数字をあげている。
専門家らは、第377条がインドの同性愛者を地下へと潜らせ、結果としてエイズ予防を困難にするという論拠が、今回のNACOの動きによって補強されることになると述べている。エイズ活動家の弁護士は、「政府は同性愛は公共道徳に反するものだとしてきたが、いまや政府機関自体が、我々同性愛者を支持している。政府が述べていることはつじつまが合っていない」と力説する。
一方、政府当局はNACOとは逆の立場に立つ。2005年12月に最高裁判所は「インドはまだ同性愛者を受け入れる段階ではない。公共道徳はいかなる個人的権利よりも優先される」と発表した。
ジュネーブに拠点を置く国連合同エイズ計画(UNAIDS)の発表によると、インドは5月の時点で世界で最も感染者数の多い国となっていおり、感染者数は570万人に達している。世界で2番目に感染者が多いのは南アフリカ共和国の550万人だとされている。
写真は世界AIDSデーでのパレード(2005年12月1日撮影)。(c)AFP/MANPREET ROMANA
AFPBB News トップへ
ユーザー制作のスライドショーをご紹介。無料で簡単な会員登録で見られます。
拡大して見られた人気写真ランキング。会員登録で拡大写真が見られます。登録は無料で簡単。