【8月24日 AFP】フランス印象派を代表する画家、ピエール・オーギュスト・ルノワール(Pierre-Auguste Renoir、1841-1919)の身の回りの品143点が来月、米ニューヨーク(New York)で競売に掛けられる。ルノワール関連のオークションとしては過去最大規模となる。

 今回出品される遺品は、2005年にルノワールの孫が競売会社に売却したもの。「ルノワール・エステート・コレクション(Renoir Estate Collection)」と銘打って9月19日に開催されるオークションの落札総額は、300万ドル(約3億円)に上ると見込まれている。

 中には、晩年のルノワールが南仏カーニュシュルメール(Cagnes-sur-Mer)のコレット(Collettes)の自宅アトリエで、若き助手リシャール・ギノ(Richard Guino)の助けを得ながら制作したオリジナルの石膏彫刻20点が含まれている。この頃のルノワールはリウマチが悪化し手が自由に使えず、助手たちによって自分の右手に絵筆を縛りつけてもらい制作に取り組んでいた。

 この他、ルノワールが愛用していた水玉模様のスカーフ、婚姻証明書、クロード・モネ(Claude Monet)やエドゥアール・マネ(Edouard Manet)、オーギュスト・ロダン(Auguste Rodin)ら芸術仲間や友人がルノアールに宛てた手紙などが出品される。

 競売大手ヘリテージ・オークションズ(Heritage Auctions)によると、最も高値がつくと予想されるのは高さ1.8メートルの彫像「La Grande Venus Victrix(偉大な勝利のビーナス)」だ。また、ルノワールが末の息子クロードをモデルに制作した頭像「ココ(Coco)」も出品される。(c)AFP