【2月6日 AFP】スペインの画家パブロ・ピカソ(Pablo Picasso)の愛人、マリーテレーズ・ワルテル(Marie-Therese Walter)の肖像画が5日、ロンドンで競売にかけられ、2860万ポンド(約42億円)で落札された。競売大手サザビーズ(Sotheby's)の広報担当者によると、落札したのは電話による参加者で、詳細は公表されていない。

 サザビーズによれば、鮮やかな色合いで描かれた「Femme assise pres d'une fenetre(窓辺に座る女)」は1932年の作品で、ピカソが芸術の女神としていたワルテルの曲線美が特徴。

 ピカソがまだ17歳だったワルテルとパリで出会ったのは、1927年だった。当時45歳のピカソは、ロシア人のバレリーナ、オルガ・コクローヴァ(Olga Khokhlova)と結婚しており、不倫関係は長く秘密にされていた。しかし、1932年に開催されたピカソの大規模な回顧展でワルテルの肖像画が初めて公開され、2人の関係は広く知られるところとなった。

 ワルテルの別の肖像画、「ヌード、観葉植物と胸像(Nude, Green Leaves and Bust)」は2010年に米ニューヨーク(New York)で競売にかけられており、この時には美術品として史上最高額の1億640万ドル(約100億円)の値が付いた。

 最高落札額はその後、昨年5月に競売にかけられたノルウェーの画家、エドバルト・ムンク(Edvard Munch)の代表作「叫び(The Scream)」によって、1億1990万ドル(約112億円)に引き上げられている。(c)AFP