【9月21日 AFP】米ニューヨーク(New York)市内マンハッタン(Manhattan)中心部のコロンバスサークル(Columbus Circle)にある、アメリカ大陸の発見者クリストファー・コロンブス(Christopher Columbus)の像――この像を「間近」で見ることのできるインスタレーションが20日から始まった。アパートのリビングルームに像を設置した程の距離といえば、その「間近」さが想像できるだろう。

「ディスカバリング・コロンバス(Discovering Columbus、コロンブス発見)」と題されたこのアートインスタレーションは、像のある地上21メートルまで足場を組んで、その上にコロンブス像を囲むようにリビングルームを設置するというもの。広さ74平方メートルのリビングルームにはソファやテレビ、書棚などもある。

 このインスタレーションを手掛けたのは日本人アーティストの西野達(Tatzu Nishino)氏。西野さんは、世界各地の歴史的構造物を「部屋」の一部に取り込む数多くのインスタレーション作品を手掛けてきた。

「自分がよく知っていると思っている物を、別の視点から見てみるというやり方もある」と西野さんはAFPに語る。「これまで特に目立つ存在ではなかったコロンブス像だが、今なら見つめ合うこともできる」

 同作品の製作にあたっては、市内でのパブリックアートを推進する財団「パブリックアート・ファンド(Public Art Fund)」から150万ドル(約1億1700万円)の助成金が出ている。

 コロンブス像は1892年にイタリアの彫刻家ガエターノ・ルッソ(Gaetano Russo)によって作られたもので、ニューヨーク市当局による修復計画では100万ドル(約7800万円)が投じられる予定となっている。

「ディスカバリング・コロンバス」のインスタレーションは11月18日まで。(c)AFP