【9月11日 AFP】米バージニア(Virginia)州で、ある女性がわずか数ドルを払ってのみの市で購入した箱いっぱいのがらくたの中から、思いもかけないお宝が見つかった。仏印象派の巨匠ピエール・オーギュスト・ルノワール(Pierre-Auguste Renoir)の絵画だ。

 見つかった絵画は、キャンバス地にセーヌ川(Seine River)沿いの風景が描かれた「Paysage Bords de Seine(セーヌ河畔の風景)」と題された油絵で、大きさは縦14センチ、横23センチ。  絵画は、競売会社ポトマックカンパニー(Potomack Company)が今月中にバージニア州アレクサンドリア(Alexandria)で競売にかける予定で、予想落札価格は7万5000~10万ドル(約590万~780万円)。

 ポトマックカンパニー代表者の話によると、ルノワールの絵画はプラスチック製のウシのおもちゃや人形などと一緒にがらくたが入った箱に放り込まれ、危うく処分されるところだった。だが、購入した女性の母親が絵画の隅にルノワールの署名が書かれているのを見つけ、女性に専門家に鑑定してもらうよう勧め、初めて絵の作者とその価値が明らかになった。

 専門家によると、この絵画にはルノワール作品を多く扱っていたパリ(Paris)のベルネーム・ジューヌ(Berheim-Jeune)画廊のラベルが付いたままになっていた。1926年に米国人コレクター、ハーバート・メイ(Herbert May)氏がフランスでベルネーム・ジューヌ画廊からこの絵を購入したところまでは判明したが、米国に渡った後のこの絵の行方は、先月になってのみの市のがらくた箱から見つかるまで不明だったという。(c)AFP