【7月14日 AFP】スペイン北部ナバーラ(Navarra)自治州パンプロナ(Pamplona)で開催されている「サン・フェルミン祭(San Fermin Festival)」といえば、牛追い祭りとして有名だが、「最もセクシーな写真」の撮影大会やスペイン名物のオリーブの種を口から飛ばす競技など、さまざまなコンテストも呼び物となっている。

 9日間の祭りの期間中、今年は「最高のキス・コンテスト」や「最高の酔っ払いコンテスト」、街の真ん中にある噴水から飛び込む「ベスト・ジャンプ賞」など、35の賞が用意されている。賞金が出るのは一部だけで、多くは優勝しても賞状と「自慢の種」を手にして帰るだけだ。しかし、コンテストは盛り上がる。

■オリーブの種飛ばし大会は大盛況

 9日には、約150人が参加し、3時間に及んだ「オリーブの種を最も遠くまで飛ばすコンテスト」があった。2006年から毎年行われている競技で、主催するのは南部ムルシア(Murcia)州から駆けつけた「オリーブの木の友人協会」だ。協会の広報担当者によると「オリーブが足りなくなりそうで、参加者の人数制限をかけなくてはならない」ほどの人気を誇る。

 使用されるオリーブの種類は決まっていて、観客や通行人に種がぶつかったら失格となる。また、入れ歯で参加する人には「歯をしっかり止めておくよう」主催協会がアドバイスしている。過去の大会でオリーブの種と一緒に入れ歯も飛ばしてしまった参加者が少なからずいたからだ。

 今年は、初めて外国からの参加者が優勝した。オーストラリア人の王者マット・デイビス(Matt Davis)さんが飛ばした距離は、自動車4台分の長さに匹敵する16.36メートルだった。

 デイビスさんには、協会のある南部の街シエーサ(Cieza)のホテルで過ごす週末が贈られた。

■シャッターチャンスに事欠かないセクシー写真コンテスト

 最も豪勢なコンテストの1つは、男性誌プレイボーイ(Playboy)が5年前から続けている賞金3000ユーロ(約34万円)の「最もセクシーな写真コンテスト」だ。「サン・フェルミン祭のスピリットとエロティシズムを融合した」写真に贈られる。

 祭りの間は、あちこちで酒類が無料で振る舞われるうえ、暑さも加わって、いつもより大胆に肌を露出する人が増える。抑えの効かないカップルも出てくるので、この賞を狙うためのシャッターチャンスには事欠かない。

 2004年からは、サン・フェルミン祭を訪れた外国人に贈られる賞も設けられた。今年受賞したのは、1926年の小説『日はまた昇る』でこの祭りを世界に知らしめた文豪アーネスト・ヘミングウェー(Ernest Hemingway)の孫、ジョン・パトリック・ヘミングウェー(John Patrick Hemingway)氏だった。

 カナダ在住で過去2度、サン・フェルミン祭を訪れたことのある同氏は10日の日曜日、パンプロナのレストランで、ウシの角が生えた地球の像を手に「私というよりも、家族、特に私の祖父にとって非常に名誉な賞だ」と喜んだ。(c)AFP/Daniel Silva