【3月31日 AFP】ペルーの世界遺産マチュピチュ遺跡(Machu Picchu)から持ち出され、米エール大学(Yale University)に保管されていた遺物の一部が30日、ペルーに返還された。

 第1陣として返還されたのは約1400点。首都リマ(Lima)の空港に到着した30基のコンテナは、約600人の警官に護衛されてトラックで大統領官邸に移送され、祝砲で出迎えられた。アラン・ガルシア(Alan Garcia)大統領は、「(戻ってきた遺物は)黄金でも宝石でもないが、宝物だ。ペルーの威厳と尊厳を象徴するものだ」と述べた。

 返還された遺物の中には、米考古学者ハイラム・ビンガム(Hiram Bingham)が発掘し、1912~16年に米国に持ち帰った陶磁器や骨片366点も含まれている。

 遺物はリマで短期間公開されたあと、かつてのインカ帝国の首都にあるクスコ大学(University of Cusco)で保管される予定だ。

 ペルーは長年にわたり遺物の返還を求めてきたが、エール大は2011年がマチュピチュ遺跡発見100周年にあたることを機に、遺物4万5000点あまりをペルーに返還することに前年合意していた。(c)AFP