【11月12日 AFP】医療目的や刺激・喜びを得るため世界各地で使用されている、精神に作用する薬物――。これらの薬物について、道徳的な判断をすることなく解説する展覧会「ハイ・ソサエティー(High Society)」が、ロンドン(London)で11日開幕した。

 解説されている「薬物」は、大麻、アヘン、マジックマッシュルームなどから、合法的な「ハイ状態」を得られるコーヒーやアルコールまでを網羅。喫煙用パイプ、吸入器、水キセル、(かむとマイルドな刺激が得られる)ビンロウの実に使われるカッター、年代別の薬物使用のグラフなど、200点以上の展示物が並ぶ。
 
 インスピレーションを得るために薬物を使った作家たちも、手書き原稿や文章などで紹介されている。アヘンを吸って眠ったあとに「クーブラ・カーン(Kubla Khan)」を書いたサミュエル・テーラー・コールリッジ(Samuel Taylor Coleridge)や、「人工楽園(Les Paradis Artificiels)」の中でハシシとアヘンを吸った経験を述べているシャルル・ボードレール(Charles Baudelaire)などだ。

 一方で、薬物の悪影響やしばしば暴力を伴う薬物の取引についても解説し、大英帝国の繁栄にアヘン貿易が大きな役割を果たしていたことを説明している。

 また、様々な薬物の中でもカフェインの影響を受けたクモが一番奇妙な巣を作ったというNASAの実験結果など、薬物の影響に対するおもしろい研究結果も紹介している。2011年2月27日まで。(c)AFP