【10月18日 AFP】英ロンドン(London)の現代美術館テート・モダン(Tate Modern)は15日、同館で展示されていた中国を代表するコンセプチュアルアーティスト、アイ・ウェイウェイ(艾未未、Ai Weiwei)氏の体感インスタレーション作品について、「健康リスク」があるとして来館者が作品内に入ることを禁止した。

 問題の作品「Sunflower Seeds(ヒマワリの種)」は、磁器製のヒマワリの種1億個以上を、同館タービンホール(Turbine Hall)の床1000平方メートルに敷き詰めたもの。種は、中国の江西(Jiangxi)省景徳鎮(Jingdezhen)市にある工房で1つ1つ整形されて着色されたものだという。

 来場者が種の上を歩くのが展示の主な要素で、同館ではこれまで「種子の上を歩き、種子に触れ、足もとでこすれる種子の音を聞くことができる体感インスタレーション」と説明していた。

 しかし、テート・モダン広報によると、「磁器は頑丈に作られているものの、来場者が熱心に踏んで歩いたことから、ホール内に予想以上のほこりが舞う結果となった。ほこりを長期間にわたって繰り返し吸引することによって健康被害が起きる恐れがあり、アーティストと相談の上、作品内の通行を禁止した」という。

 展示は閲覧のみ可能で、5月2日まで開催される。(c)AFP