【3月30日 AFP】エジプト文化省は29日、同国ルクソール(Luxor)近郊のカルナック神殿(Karnak Temple)近くで、古代エジプト第18王朝のハトシェプスト(Hatshepsut)女王(在位紀元前1479~1458年ごろ)の有力側近だったウセル(User)の墓のものである、彫刻を施された花こう岩製の石扉を発掘したと発表した。

 エジプト考古最高評議会(Egyptian Supreme Council of Antiquities)のザヒ・ハワス(Zahi Hawass)事務局長によると、この石扉は高さ1.75メートル、厚さ50センチで、宗教的な文言のほか、市長や主席大臣、君主などウセルが使っていたさまざまな肩書きが彫り込まれているという。古代エジプト人は、石扉を死後の世界の入口だと信じていた。

 発掘団のマンスール・ボライク(Mansur Boraik)氏は、「新たに発掘された扉はウセルの墓から取り除かれ、ローマ時代に建物の壁として再利用されていた」と語った。(c)AFP