【2月24日 AFP】イスラエルのエルサレム・ヘブライ大学(Hebrew University of Jerusalem)は22日、東エルサレム(East Jerusalem)で最近行った発掘で古代のエルサレムを囲んでいた壁の一部を発見したと発表した。紀元前10世紀にソロモン王(King Solomon)が作ったものとみられるという。

 見つかった壁は高さが約6メートル、長さは70メートル。聖書によるとソロモン王はエルサレムで最初の神殿を建てたとされている。今回の発見は、聖書の記述を裏付ける可能性があるという。

 壁と同時に作られた、王の区画を警備する守衛の詰所やキドロンの谷(Kidron Valley)を見下ろす見張り塔、陶片や高さ1.15メートルのつぼの破片2個も見つかった。つぼの取っ手には「王のために」という文字があったという。

 ソロモン王が作った神殿は紀元前586年にバビロンのネブカドネザル王(King Nebuchadnezzar)に破壊された。その後ヘロデ大王によって大拡張されたが、紀元70年にローマ軍によって破壊された。有名な「嘆きの壁」は、神殿の丘(Temple Mount)にあったローマが破壊した神殿の城壁の西の部分とされている。

 イスラエルが1967年に一方的に併合した東エルサレムにはアルアクサ・モスク(Al-Aqsa Mosque)や岩のドーム(Dome of the Rock)があり、イスラム教徒にとってもメッカ(Mecca)、メディナ(Medina)に次ぐ第3の聖地になっている。(c)AFP