【9月24日 AFP】ベルギー・シュールレアリスムの巨匠ルネ・マグリット(Rene Magritte)の絵画「オリンピア(Olympia)」(1948年作)が24日朝、首都ブリュッセル(Brussels)にあるマグリット美術館から、2人の強盗犯に白昼堂々盗まれた。美術館学芸員がAFPに語った。

 盗難に遭った裸婦像「オリンピア」は300万ユーロ(約4億円)相当の価値があるとされている。美術館関係者によると、1人は武装していたという。

 学芸員のアンドレ・アリット(Andre Garitte)氏は、AFPに対し、開館後間もない午前10時ごろ、「拳銃を持った2人組が美術館に入ってきた。1人はフランス語、もう1人は英語を話していた。1人はアジア系だった」と述べた。

 Garitte氏によると、強盗犯らは顔を隠しておらず、美術館従業員2、3人に美術館の中庭に横たわるよう命じたという。その後、強盗犯の1人が、裸婦像を防護しているガラスのパネルをよじ登って絵画を盗み出した。

 ブリュッセル警察は、「強盗犯は徒歩で絵画を運び、現場から車で逃走した。捜査は継続中だが、犯人の足どりはつかめていない」と語った。現在は現場一帯で指紋を採取しているという。

 盗難に遭った美術館は、ブリュッセル西部にあり、マグリットが24年間暮らし、制作を続け、約半数の作品を完成させた住居に建てられた。絵画のほかにもマグリットの私物や資料など約100点も保管しており、依頼すれば閲覧することもできる。

「オリンピア」は、マグリットの妻ジョルジェット(Georgette)が貝殻を腹部に載せて横たわっている様子を描いたもので、縦60センチ横80センチのサイズ。(c)AFP