【6月17日 AFP】人気小説「ハリー・ポッター(Harry Potter)」シリーズの出版元ブルームズベリー(Bloomsbury)は16日、シリーズ第4作『ハリー・ポッターと炎のゴブレット(Harry Potter and the Goblet of Fire)』が盗作だとして提訴されたことに対し、原告の主張を否定した。

 著作権侵害でブルームズベリーを訴えているのは、作家故エイドリアン・ジェイコブズ(Adrian Jacobs)氏の管理団体。「炎のゴブレット」は、1987年に出版されたジェイコブ氏の『魔法使いウィリーの冒険(The Adventures of Willy the Wizard No 1 Livid Land)』を盗用したものだと主張している。

 ブルームズベリーによれば、米国在住のジェイコブ氏の息子の代理人らが2004年に同様の訴えを起こしたが、「ウィリー」をコピーしたと思われる文章は「ハリー・ポッター」には見つからなかったという。この時点で、ハリー・ポッター1作目の出版から7年が経過していた。

 今回の訴えに対しブルームズベリー側は、2004年の訴訟まで「ハリー・ポッター」シリーズの著者J・K・ローリング(J.K. Rowling)氏はジェイコブ氏の本のことは「見たことも、読んだことも、聞いたこともなかった」と説明した。

「この訴えには何の利点もなく、われわれは徹底して抗弁する。盗作だとする主張は、事実無根で裏付けもなく、真実ではない」

 さらに、「ウィリー」は36ページしかない「とても希薄な本」で、わずかしか出版されておらず、「ウィリー」の主人公は若い魔法使いではなく、ストーリーも魔法学校で展開するわけではないと主張した。

 ジェイコブ氏側の弁護人は、ジェイコブ氏が著作権代理人になってもらおうと依頼したクリストファー・リトル(Christopher Little)氏が、のちにローリング氏の代理人になったことも指摘している。

 ジェイコブ氏は1997年に死去した。(c)AFP