【3月2日 AFP】(一部更新、写真追加)仏パリ(Paris)で前月、競売にかけられ、個人所蔵品の競売としては過去最高額で落札された中国・清朝時代のブロンズ像2体の落札者が、中国人だったことが明らかになった。中国国営新華社(Xinhua)通信が2日報じた。

 この報道の直後、中国人古美術収集家の蔡銘超(Cai Mingchao)氏が、謎の落札者は自分だと名乗り出た。蔡氏は声明で「中国人なら誰でも(ブロンズ像を取り戻すために)立ち上がっただろう。わたしも、その責任を果たすべく努力した」と述べ、「落札額を支払う資金はない」と主張した。支払い能力がないという意味か、支払うつもりがないという意味かは不明。

 蔡氏の声明は、海外に流出した中国の歴史的遺物を回収している中国の民間組織「海外流出文化財救出基金(National Treasures Fund)」が発表した。蔡氏は同基金の顧問を務めているという。

 2体のブロンズ像は、故イヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)氏とパートナーのピエール・ベルジェ(Pierre Berge)氏が所蔵していたもので、前月競売大手クリスティーズ(Christie's)によって競売にかけられた。これらの像は、約150年前のアヘン戦争時に北京(Beijing)郊外にある清朝時代の遺構、円明園(Old Summer Palace)から英仏連合軍によって略奪されたものとされ、中国政府は返還を求めていた。(c)AFP