【2月10日 AFP】エジプト文化省は9日、同国の考古学者らがカイロ(Cairo)南部で、4300年前のものとみられる墓の中から30体のミイラと複数の石や木でできたサルコファガス(ひつぎ)を発見したと発表した。

 文化省によると、ミイラが発見されたのは、同国最古のピラミッドとされるサッカラ(Saqqara)遺跡のジェセル(Djoser)王の階段ピラミッドの西のGisr al-Moudirだという。階段ピラミッドは、紀元前2700年ごろに建築家のイムホテップ(Imhotep)によって建設されたといわれる。

 エジプト考古最高評議会(Supreme Council of AntiquitiesSCA)のザヒ・ハワス(Zahi Hawass)事務局長は、「この墓は、約4300年前の古王国時代の第6王朝のころのものだ」と語っている。

 墓からは木棺が2つと石棺が4つ発見された。また、30体のミイラも見つかったが、そのうち20体は壁のくぼみに置かれていたという。

 ハワス事務局長は、泥れんが造りのこの墓は、聖歌隊の指導者でもあった聖職者をまつったものだとの見方を示している。

 墓の埋葬室につながる11メートルの立て坑も発見されたが、これは墓よりも年代的にははるかに新しい紀元前640年ごろに作られたものだという。(c)AFP