【12月5日 AFP】「ハリー・ポッター(Harry Potter)」シリーズの原作者J・K・ローリング(J.K. Rowling)氏の新作短編集『吟遊詩人ビードルの物語(The Tales of Beedle the Bard)』が4日、欧米で発売された。

 この日、英国の書店は、登校前の子どもたちが新作を購入できるようにと、いつもより早く開店した。朝6時に開店した店もあるという。この本は必ず今年のクリスマスの売れ筋トップになり、年間トップになる可能性もあると大型書店ウォーターストーンズ(Waterstone’s)の広報担当者は語る。

 ローリング氏はこの日、地元エディンバラ(Edinburgh)で本の発売を記念したティーパーティーを開催。200人の子どもたちを前に朗読も行った。

 同作品は2007年、7冊だけ制作された。6冊は「ハリー・ポッター」シリーズに関わった人に贈られ、もう1冊は競売に出品され米アマゾン(Amazon)が195万ポンド(約2億6000万円)で落札した。しかし、ファンからの要望が強く、自身が設立した慈善団体へのチャリティーも兼ねて、一般発売が決まった。130ページで1冊の価格は6.99ポンド(約950円)。収益はすべて同慈善団体へ寄付される。

 ティーパーティーでローリング氏は、「200万ポンドを所有している人しか読めないというのは公平じゃないと思った」と語った。

「ハリー・ポッター」のファンサイト「mugglenet.com」には、「予想より30倍以上も良い」、「最初の2編だけでお気に入りの1冊になった」など、好意的な感想が次々と投稿されている。

 この本は、魔法学校のアルバス・ダンブルドア(Albus Dumbledore)校長がポッターの友人であるハーマイオニー・グレンジャー(Hermione Granger)に遺贈したものとして、『ハリー・ポッターと死の秘宝(Harry Potter And The Deathly Hallows)』の中に登場する。本には5つの物語が書かれている。(c)AFP