【11月24日 AFP】エチオピア政府は英国政府に対し、140年前に英国軍が略奪した王冠を含む貴重な文化財を返還するよう求めている。23日の英インディペンデント(Independent)紙が報じた。

 同紙によると、エチオピアのギルマ・ウォルドギオルギス(Girma Wolde-Giorgis)大統領は今年に入ってから、大英博物館(British Museum)、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(Victoria and Albert Museum)、大英図書館(British Library)、ケンブリッジ大学図書館(Cambridge University Library)に対し、1868年の「マグダラ(Magdala)の戦い」の際に英国軍に略奪された400点以上の返還を求める書簡を送ったという。

 この中には18カラットの金の王冠、キリスト教の聖典などの貴重な写本300巻以上が含まれている。祭台9台など、宗教的に重要な意味がある遺物も多いことから、文化財返還要求はエチオピアの世論を刺激しやすい問題だ。ちなみに、木製の祭台を所蔵する大英博物館は、これが極めて神聖な遺物であることを認識しており決して一般公開しないと明言している。(c)AFP