【11月6日 AFP】レバノンで開催の写真展で、イスラム原理主義組織ヒズボラ(Hezbollah)指導者のハッサン・ナスララ(Hassan Nasrallah)師の肖像を使用した作品により物議を醸した映画監督ジョスリン・サーブ(Jocelyne Saab)に対し、会場を所有する企業が5日、作品の一部撤去を要請した。

 サーブ監督の写真展「Senses, Icons and Sensitivity」は、首都ベイルート(Beirut)中心部の展示施設「プラネット・ディスカバリー(Planet Discovery)」で4日に始まったばかり。

 最も問題視されたのは『American-Israeli playground(アメリカとイスラエルの遊び場)』と題する作品だ。レバノンの現状を「墓地」として表わした作品で、いくつものキリスト磔刑(たっけい)図をナスララ師の肖像が取り囲み、その後方に2体のバービー(Barbie)人形が控える構図になっている。

 そのほか、バービーのボーイフレンドの人形を十字架に磔(はりつけ)にされたキリスト、緑色の髪の乱れたバービーを聖母マリアとして表現した作品も、撤去の対象となった。(c)AFP