2008年1月24日、オーストリアの首都ウィーン(Vienna)の郊外に建築家オットー・ワグナー(Otto Wagner)の設計で1904年から1907年にかけて建築されたアム・シュタインホフ教会(Kirche Am Steinhof)。(c)AFP/Samuel Kubani
【2月5日 AFP】オーストリアの首都ウィーン(Vienna)の街並みを見下ろす丘の上の精神病院の敷地内に建つ黄金のドームを持つ教会は、不釣り合いに見えるかも知れない。しかし、この教会の存在自体、この変わったロケーションに負うところが大きい。
1904年から1907年にかけて建築されたアム・シュタインホフ教会(Kirche Am Steinhof)は当時、バロック建築に親しんでいたウィーン社会では現代的で破廉恥な建築と見なされた。ただ、市街地から離れた精神病院の中に建てられたため、何とか容赦された。
約1世紀がたったいま、この教会は19世紀終わりのアールヌーボーに似た建築様式「ユーゲントシュティール(Jugendstil)」の欧州最初の傑作の1つとみなされ、観光地の1つとなっている。
■見直された建築的・歴史的価値
アム・シュタインホフ教会はゼセッション運動の創始者で建築家のオットー・ワグナー(Otto Wagner)によって設計された。同運動はウィーンで支配的だった学術的保護主義を否定した。
教会は患者を念頭に置き、さまざまな工夫がなされている。座席は患者が自身を傷つけないように面取りされ、聖水は衛生面から蛇口が採用された。トイレや救急処置室も完備された。
数十年の間、教会は一般に公開されておらず、敷地内に住む患者や病院関係者のみの利用が許されていた。
両親が病院に勤務していて子どものころに同教会の日曜礼拝に出席した男性は「誰も教会が特別なものだとか、オットー・ワグナーが設計したものだとかは教えてくれなかった。人々が教会について語るのは、ごく最近になってからだ」と語る。
病院が教会を一般公開し、ガイドツアーを開始した1981年から事態は一転した。教会の建築的・歴史的価値を認識したウィーン市は、2000年から2006年の間に修繕費用として1180万ユーロ(約18億7000万円)を投入した。これには黄金のドームの修繕も含まれている。
今日ではユーゲントシュティールを代表する教会建築の代表として、ウィーンの観光局のウェブサイトや多くのガイドブックに特集されているほか、ガイドツアーが毎週開催されている。
ツアーガイドのPaul Keiblingerさんは「結婚式や洗礼式も多数行われる。5月は予約でいっぱいだ」と語る。(c)AFP/Sim Sim Wissgott
AFPBB News トップへ




ユーザー制作のスライドショーをご紹介。無料で簡単な会員登録で見られます。
拡大して見られた人気写真ランキング。会員登録で拡大写真が見られます。登録は無料で簡単。