【1月30日 AFP】「ハリー・ポッター」シリーズを終わらせることは離婚よりも辛かった――。同シリーズの著者J・K・ローリング(J.K. Rowling、42)氏が29日、ロンドン(London)で行われた「South Bank Show」の授賞式に功労賞の受賞者として出席し、同シリーズ終了時の心情をこう語った。

「人生で最悪の別れだった。どんな男性との別れよりつらかったわ。でも、17年前に電車の中で思いついたアイデアが終わったんだということを、立ち止まってゆっくり考えるのは良い経験だった」

 「ハリー・ポッター」シリーズは全世界で3億5000万部を売上げ、65か国語に翻訳されている。最終巻『ハリー・ポッターと死の秘宝(Harry Potter And The Deathly Hallows)』は2007年7月に出版された。

 1990年に同シリーズを書き始めたローリング氏は、1991年にポルトガルで地元のジャーナリストと結婚し一女、ジェシカちゃんをもうけたが、その後離婚。1994年にシングルマザーとして英エディンバラ(Edinburgh)に引っ越し、娘が寝付いてから地元のカフェなどで「ハリー・ポッター」の原稿を書き上げた。

 プレゼンターを務めたリチャード・アッテンボロー(Richard Attenborough)は、同シリーズの映画に出演できなかったことについて冗談を交えてこう語った。「この受賞者にはクレームを出さねばならない。わたしは1941年にActors' Equity Association(英国の 舞台俳優労働組合)に入ってその後は会員として活動し、ある程度尊敬されてきた。わたしは、多くの人々に読まれ映画化までされたこの素晴らしい作品に参加できなかった、この年代では唯一の役者にちがいない。わたしにもできる役があったはずだ。わずか数行のセリフでもよかったのに」

 ローリング氏は2007年11月に、おそらく次回作となるであろう児童書に取りかかっていることを明かしている。(c)AFP