【11月14日 AFP】映画『ローズマリーの赤ちゃん』(Rosemary's Baby)の原作者として知られる米国の作家、アイラ・レビン(Ira Levin)さんが12日、米国ニューヨークの自宅で死去した。78歳だった。現地紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)が13日に報じた。

 同紙は息子の話として、レビンさんの死因は老衰による自然死だったと伝えている。

 レビンさんの手がけたジャンルは、推理小説からホラー、ブロードウェーのコメディーまでと幅広かったが、40年間で執筆した小説はわずか7本だったと、出版代理業者Phyllis Westbergは同紙に答えている。しかし、寡作である一方で、数千万冊もの売り上げを記録した。

 中でも有名な1967年の『ローズマリーの赤ちゃん』は超自然現象を描いた小説で、ロマン・ポランスキー(Roman Polanski)監督の手により、翌年映画化された。しかしレビンさんは生前、この小説をきっかけに悪魔崇拝が人気になったことを悔やみ、『エクソシスト(The Exorcist)』や『オーメン(The Omen)』といった映画へとつながったことに罪悪感を感じると話していたという。

 レビンさんの作品ではそのほか、1972年の『ステップフォード・ワイフ(The Stepford Wives)』、1976年の『ブラジルから来た少年(The Boys From Brazil)』も映画化されている。

 レビンさんは1929年、ニューヨーク生まれ。大学卒業後の1950年代には、従軍経験もある。放送作家を経て、1953年に出版した初の小説『死の接吻(A Kiss Before Dying)』で、アメリカ探偵作家クラブ(Mystery Writers of America)の新人賞を受賞した。(c)AFP