【11月9日 AFP】ロンドン(London)で8日に行われた競売大手クリスティーズ(Christie's)のオークションで、葛飾北斎(Hokusai Katsushika、1760-1849)の浮世絵作品『凱風快晴』が、版画では世界最高額となる28万8500ポンド(約6800万円)で落札された。

 同日のオークションには、日本の美術作品が450点以上が出品され、落札額の総計は250万ポンド(約5億9400万円)に達した。北斎の別の版も2番目の高額落札額となる11万4500ポンド(約2700万円)の値が付けられた。2作品とも、日本人の入札者が競り落とした。

 さらに、 歌川国芳(Kuniyoshi Utagawa、1797-1861)の『猫飼好五十三疋』は3万8900ポンド(約920万円)の値を付け、同画家の作品としては最高額を記録した。

 クリスティーズのマーク・ヒントン(Mark Hinton)氏によると、今年クリスティーズの日本芸術部門は活況を見せ、ロンドンではオークションの世界記録を3つ更新、ニューヨーク(New York)では数十年ぶりに100万ドル(約1億1200万円)以上の落札があったという。こうした中、日本刀と並んで日本の版画の需要も高まっており、こうした傾向が今回のオークションに反映されたと、同氏はみている。(c)AFP