2007年11月5日、タイの首都バンコク(Bangkok)のチャオプラヤ(Chao Phraya)川を下る王室御座船から、プミポン・アドゥンヤデート(Bhumibol Adulyadej)国王が入院する病院を見るワチラロンコン皇太子(Crown Prince Maha Vajiralongkorn)。(c)AFP
【11月6日 AFP】12月に80歳になるタイのプミポン・アドゥンヤデート(Bhumibol Adulyadej)国王の誕生式典が5日、バンコク(Bangkok)のチャオプラヤ(Chao Phraya)川で始まり、川沿いには普段目にすることのできない王室御座船を一目見ようと数万人が詰めかけた。
まばゆい衣装をまとった2200人の漕ぎ手、警備員、楽団を乗せた52隻の船は、隊列を組み、「暁の寺」としても知られるワットアルン(Wat Arun)に向けて水上をパレードした。
タイでは入安節(Buddhist Lent)の最終日に、国王が「スパンナホン(Suphannahongse)」と呼ばれる専用船に乗り、僧侶に袈裟を届ける伝統がある。スパンナホンは1つの木から彫り出した御座船で、全長50メートル近くあり、船首に聖鳥を冠している。
■国王は入院で欠席
しかしこの日の行事に国王は参加せず、ワチラロンコン皇太子(Crown Prince Maha Vajiralongkorn)が代理を務めた。
国王は10月半ばに体長を崩して入院しており、医師団は脳血流障害が認められたとの診断を下している。
在位期間が世界で最も長いプミポン国王は、タイではほとんど信仰の対象といえるほど深く敬愛されている。あちこちに写真が飾られているほか、王室を侮辱すれば10年間投獄される可能性すらある。
立憲君主制でほとんど法的権力を持たないものの、政治的に混乱していた60年間、安定的な存在として君臨してきた。タイ王室庁(Royal Household Bureau)によると、国王の体調は日々回復に向かっているという。
1946年6月9日の即位以来、王室御座船が川に現れたのはわずか15回。直近では、2006年6月の在位60年祝賀行事でのことだ。
複雑な装飾を施され、船首には仏教やヒンズー教の神話上の生物、ガルーダ、ナーガなどを据えた御座船は、普段は博物館に保管されている。国の重要な行事があると、サロン、赤いチュニック、伝統的な帽子を身につけた海軍の漕ぎ手が、金色のオールで52隻の船を繰り出す。
正式には「王室御座船」は4隻のみで、残りはそれをエスコートする船という位置付けだ。
■アユタヤ王朝からの伝統
御座船の歴史は、アユタヤ王朝(1350-1767年)にさかのぼる。250年以上前にバンコクが築かれたころには、国王は運河網を御座船で移動していたという。
現代化が進むと御座船も利用されなくなったが、1957年にプミポン国王が仏暦2500年を祝し、伝統を復活させた。
「国王のためにこの仕事ができることはうれしく、家族にとっての誇りにもなる」と、金と赤紫の衣装を着て御座船で歌を歌うNattawat Aramklauaさんは語る。国王の栄光と御座船の美しさを讃える歌詞が川沿いにこだました。
日が暮れ、船団がワット・アルンに到着すると、ワチラロンコン皇太子はだいだい色の袈裟をまとった僧侶に生活必需品を贈った。
「式典は想像以上にきれいだった。国王が出席していないからといって、神聖さが変わるわけではない」と、バンコク在住のSunatda Choatmeechaiさんは感動した様子で語った。(c)AFP/Nareerat Wiriyapong
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