【10月24日 AFP】サザビーズ(Sotheby' s)で来月、最高100万ドル(約1億1500万円)での落札が予想されるある有名な絵画が競売にかけられるが、不思議なことにその絵は盗難後20年を経て、ニューヨーク(New York)の街角で偶然発見されたものだった。

 競売にかけられるのはメキシコ人画家ルフィーノ・タマヨ(Rufino Tamayo)の「Tres personajes」(1970年作) で、ニューヨークに住むElizabeth Gibsonさんがコーヒーを買いに家を出たところ、回収前のゴミの山の中で偶然それを発見した。

 Gibsonさんはサザビーズに対し、「わたしはモダンアートについて何も知らないけど、どんな芸術作品でもそんな風に捨てられるのはどうかと思った」と語った。

 本来の持ち主は1977年にその絵を購入したが、1987年に盗難に遭い、米連邦捜査局(FBI)にも被害届を出していたが発見されずにいた。赤、紫、黄色を大胆に使ったその絵は、今回発見されたことで、やっと持ち主の手元へと戻ることとなった。

 この絵は11月20日に競売にかけられるが、サザビーズによると落札額は75万ドル(約8600万円)から100万ドルと予想されるという。Gibsonさんは謝礼1万5000ドル(約170万円)を受け取っているが、さらに売上額の何割かを受け取る予定となっている。タマヨは1991年に死去。(c)AFP