【7月6日 AFP】漫画からファション、ロックミュージックまで、日本をはじめアジアの最新ポップカルチャーを紹介する恒例の「ジャパンエキスポ(Japan Expo)」が6日、パリ北部のヴィルパント(Villepinte)で開幕する。ヨーロッパに何万人もいるといわれる漫画マニアは、例年このイベントを心待ちにしている。

■国際的な評価を受け、参加者も世界規模に拡大

 3日間にわたり開催される「ジャパンエキスポ」は、今年で8回目を迎える。前年の入場者数は5万6000人にのぼり、「アジア的娯楽」に関心のあるヨーロッパの人々には、欠かせない恒例イベントとなっている。

 1999年に初めて開催された「ジャパンエキスポ」は当初、入場者が3000人にも満たなかった。しかし、着実に国際的な評価を受け、今では、ヨーロッパのみならず、アジアやブラジルからも来場者を呼んでいる。

 「これは漫画を愛好する一般大衆のためのイベントです。日本文化全般に関心を広げることを目的としています」と、このイベントで漫画編集者と交渉を担当するFlorent Dautricheさんは話す。「昨年は日本の大手出版社が数多く参加してくれたにもかかわらず、特別なブースを用意していなかった。今年は著作権取引のためにプロ向けエリアを設けます」ともいう。

 今回は、フランス国内の主要な漫画出版社もブースを出展、8000平方メートルの会場には、5万5000冊の漫画が出展される。「高度に様式化された日本のグラフィック小説」と称される漫画とともに、お下げ髪に白のハイソックスという日本の女学生スタイルを紹介するファッションショーも開かれる。また、来場者は最新のテレビゲーム、武術、数字のパズルゲーム「SUDOKU(数独)」、生け花など見学することができる。

■フランスは世界で2番目の漫画消費国

 フランスの若者は今やアジア文化に熱狂している。フランスは現在、日本に次ぐ世界で2番目の漫画消費国。2003年には、仏国内でのコミック総売上の19%しかなかった日本の漫画は、今や総売上の3分の1以上を占めている、仏業界誌『Livre Hebdo』は伝える。

 この数字は、伝統的なコミックの売上が9%まで落ち込んでいることと対照的だ。古典的なコミックを扱う大きな出版社は、日本漫画に水をあけられている。『Naruto-ナルト-(Naruto)』、『ドラゴンボール(Dragon Ball)』、『サムライディーパーキョウ(Kyo)』など人気10シリーズが、漫画の国内総売上の半分を占めるという。

 出版社Media Participationsは、この10年間に漫画1900万部以上を売り上げた。同社で漫画の編集担当者は、「ジャパンエキスポ」で会社創立10周年を祝う予定だという。

 『シャーマンキング(Shaman King)』の武井宏之(Hiroyuki Takei)、『MAR』の安西 信行(Nobuyuki Anzai)、『Astral Project 月の光』の竹谷 州史(Syuji Takeya)といった売れっ子「漫画家(mangaka)」なども招待されている。

 「ジャパンエキスポ」は日本の漫画に特化せず、韓国人・中国人アーティストによる作品も出展され、アジアのポップカルチャーを網羅している。「アジアで最も影響力のあるアーティスト」と紹介されるYoshikiなど、スターアーティストも登場する予定。(c)AFP