写真はハイデンの作品(Rijksmuseum提供)。(c)AFP/RIJKSMUSEUM AMSTERDAM
【アムステルダム/オランダ 5日 AFP】都市景観の細密画で知られ、「オランダのダ・ヴィンチ」と称される17世紀の画家、ヤン・ファン・デル・ハイデン(Jan van der Heyden、1637-1712)の個展が1937年以来、70年ぶりに開催されている。
■作品に息づくアムステルダムの街
ハイデンは、17世紀に海運貿易港として黄金時代を迎えたアムステルダム(Amsterdam)の風景を数多く描いた。描写が緻密なため、運河の流れる旧市街中心部では、現在も同じ場所に作品中で描かれた建物を容易に確認することができる。
個展が開催されている美術館「Rijksmuseum」で17世紀絵画を担当する学芸員のPieter Roelofs氏は、「世界中から、ハイデン作品の中でも最高のものを集めた」と語る。
■発明家、事業家の横顔も
ハイデンには、画家以外の顔もあった。発明家、そして事業家として成功し、裕福な生涯を過ごした。最も著名な発明はホースを導入した「消防車」で、当時、ほとんどの建築が木造だったために頻発していた火災の現場で、消火活動を飛躍的に向上させた。この業績と火災を描いた作品が多いことから、今回の個展のタイトルは「Fire !(火事だ!)」と銘打たれている。
今日のアムステルダムで、17世紀から残る木造建築は2棟だけ。そのほかは、ほとんどが火災で焼失した。ハイデンは油彩や素描で、こうした火災の様子も詳細に記録している。
ベニスを代表する風景画家、カナレット(Canaletto)同様、ハイデンも描く対象を理想化する傾向があった。しかし、アムステルダムの旧市街を歩くと、当時と街並みがほとんど変化していないことに気付かされる。作品中の建物を実際に見たいという来館者のために、Rijksmuseumではガイド付きのアムステルダム散策ツアーを行っている。
個展「Fire !」はRijksmuseumで4月30日まで。開館時間、入場料などは美術館のウェブサイト (www.rijksmuseum.nl)で確認可能だ。
写真はハイデンの作品(Rijksmuseum提供)。(c)AFP/RIJKSMUSEUM AMSTERDAM