【ジャカルタ/インドネシア 24日 AFP】米国ロサンゼルスで行われた第55回ミス・ユニバース・コンテストのインドネシア代表、ナディン・チャンドラウィナタ(Nadine Chandrawinata)さんは、栄冠を逃したばかりか、国内のイスラム強硬派がわいせつ罪で告発したため、刑事罰を受ける可能性が出てきた。
イスラム擁護戦線(the Islamic Defenders Front、FPI)の所属弁護士を率いるSugito氏によれば、同女性支部がチャンドラウィナタさんをミス・コンテストに参加した罪でジャカルタ警察に告発したという。
同氏は、チャンドラウィナタさんおよび彼女のコンテスト参加に関わった数人を、「故意かつ公然わいせつに関与した罪で告発した」と述べた。また、FPI所属弁護士らが21日、既に民事訴訟の申し立てを行ったという。同氏は、また「コンテストでの破廉恥な振る舞いは、インドネシア女性への冒涜だ」とし、ビキニ姿になるなどミス・コンテストへの参加行為は、イスラム教徒が多数を占めるインドネシア文化に反すると述べた。また、チャンドラウィナタさんらが組織的に公共規則違反を犯したと非難している。
Sugito氏がAFP記者に語ったところによれば、スハルト(Suharto)大統領下の1984年に教育・文化省が制定した法令で、インドンネシア国民の美人コンテストへの参加は禁じられているという。
世界最大のイスラム教徒人口を有する同国において、同法は理論的には有効だが、スハルト元大統領が失脚した1998年以後、インドネシア当局はイスラム関連の規制を緩和してきた経緯がある。2005年のミス・ユニバース・コンテストには、スハルト政権がコンテストへの参加を禁止して以来、ほぼ10年ぶりにArtika Sari Deviaさんが参加した。
しかし、Deviaさんやチャンドラウィナタさんに付き添った女性らも、インドネシアのミス・コンテスト3団体と共に、FPIから告発されている。「国民が法律を順守しなければ、国はどうなってしまうのか?我々FPIはそれを懸念している。」と同団体所属弁護士は言う。告発の申し立てがあった場合、インドネシアの法律では、警察は捜査義務があり、立件に十分な証拠があると見なされた場合は、裁判に持ち込まれることになる。
FPIは、1999年に、ナイトクラブなどイスラム教で「罪深い」とされる場所で、暴力的取締りを行った。また、4月にも米男性誌「プレイボーイ」のインドネシア語版発刊に際し、抗議活動を行った。その結果、同誌は、ジャカルタでの発刊を見送り、ヒンズー教徒が多数派のバリ(Bali)でのみ発売することとなった。
しかしFPIは、穏健的イスラムに馴染んだ一般インドネシア人からは、ほとんど支持を得ていないのが実情だ。23日のミス・ユニバース・コンテストでは、プエルトリコ代表のスレイカ・リベラ(Zuleyka Rivera)さんが2006年度ミス・ユニバースに選ばれた。写真はチャンドラウィナタさん(2005年7月30日撮影)。(c)AFP/TENGKU BAHAR
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