【8月16日 AFP】現代のネズミの祖先としては最古とみられる1億6000万年前の小動物の化石を、中国東部の地層から発掘したとする論文が15日、米科学誌サイエンス(Science)に発表された。動きは敏捷で、木登りや穴掘りができ、ほぼどんなものでも食べられたという。

 北京(Beijing)にある中国地質科学院(Chinese Academy of Geological Sciences)のChong-Xi Yuan氏が率いる米国と中国の共同研究チームの論文によると、「Rugosodon eurasiaticus」と名付けられたこの種は、木登りに適した柔軟な足関節と、動物と植物の両方を咀嚼(そしゃく)できる鋭い歯を持っていた。このような特徴によって、「多丘歯目」として知られる古代のげっ歯類は、地球史上最も長く存在した哺乳類のグループの一つとなることができたという。

 起源を約1億6000万年前のジュラ紀(Jurassic Period)にまでさかのぼるとされる多丘歯目は、現代のげっ歯類にとって代わられるまで、約1億年にわたり恐竜時代を生き延びた。研究チームによると、その能力は、木の上や地上、地中などを生息地とするさまざまな草食動物への進化を可能としたという。

 Rugosodon eurasiaticusの化石は、中国東部にあるジュラ紀の地層「髫髻山層(Tiaojishan Formation)」で発掘された。論文の共著者、米シカゴ大学(University of Chicago)のZhe-Xi Luo氏によると、ポルトガルで発掘された化石に類似していることから、同じ種やその仲間がユーラシア大陸の広範囲にわたり生息していたと考えられるという。

 Rugosodon eurasiaticusの体重は約65~80グラムだったと考えられている。歯と足間接は、進化のかなり初期の段階で発達した可能性が高く、そのことが種の長期間の生存に寄与したのではないかと、研究チームは指摘している。(c)AFP