【8月15日 AFP】泳ぐチンパンジーや水に飛び込むオランウータン──大昔に霊長類が失ったと思われていた水泳能力を目撃した科学者らが14日、驚きの発表を行った。

 米国で飼育された霊長類2匹を撮影し、観察した南アフリカのウィトウォーターズランド大学(University of the Witwatersrand)解剖学科のレナート・ベンダー(Renato Bender)氏とスイス・ベルン大学(University of Bern)のニコル・ベンダー(Nicole Bender)氏の2人の進化学者は声明で「米ミズーリ(Missouri)州のプールで、チンパンジーの『クーパー』が何度も飛び込み、気持ちよさそうにしているのを見て大変驚いた。水を大変怖がると考えられている動物の、非常に驚くべき行動だ」と述べている。

 また2人は米サウスカロライナ(South Carolina)州にある民間動物園で、「スリア」と名付けられたオランウータンが泳ぐのも観察した。

 哺乳類の大半がいわゆる「犬かき」を本能的にできるのに対し、人間や霊長類は生まれつきではなく学習しなければ泳げない。だが、人間に育てられたクーパーとスリアは2匹とも平泳ぎで使う「フロッグキック」に似た足の動きで泳いだという。(c)AFP