【8月13日 AFP】背負うことで飛ぶことができる個人用「ジェットパック」に、ニュージーランドの航空規制当局が飛行許可を出した。ジェットパックを製作した開発者らが13日、明らかにした。これにより、2014年の製品化に向けた有人飛行試験が可能となる。

 個人用のジェットパックの開発を進めるマーティン・エアクラフト(Martin Aircraft)のピーター・コーカー(Peter Coker)最高経営責任者(CEO)は、当局からの飛行許可について、製品開発における重要な一里塚だと語った。

 ジェットパックは、発明家のグレン・マーティン(Glenn Martin)氏が30年前にクライストチャーチ(Christchurch)の自宅ガレージで製作を開始した。子どものころに見たテレビシリーズ「サンダーバード(Thunderbirds)」や「宇宙家族ロビンソン(Lost in Space)」に触発されたマーティン氏は、パイロットの専門訓練を受けていない一般の人々が日用品として使えるジェットパックの開発を目指したという。

 開発中のジェットパックは、自立可能なカーボンファイバー製のフレームに推進ファンを備えた2基の円筒が取り付けられた構造となっている。パイロットはフレームを背負ってベルトを装着し、2つのジョイスティックを使って操作する。

 コーカーCEOによると、まずは軍や消防隊用の特別製ジェットパックを2014年半ばまでに完成させる計画で、個人用のジェットパックは2015年からの発売を目指している。個人向けジェットパックの価格は15万~25万ドル(約1500万~2400万円)に設定される予定となっているが、その後徐々に低コスト化していく見通しという。トラブル発生時のためにロケット推進式のパラシュートが付属する。(c)AFP