【4月13日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は12日、宇宙大国としての地位を維持するため、2020年にかけて新たに1兆6000億ルーブル(約5兆円)を宇宙事業に投じる方針を発表した。他の宇宙大国をはるかにしのぐ額を投資し、有人宇宙飛行での優位性保持や、出遅れている無人深宇宙探査の強化を目指す。

 旧ソ連の宇宙飛行士ユーリ・ガガーリン(Yuri Gagarin)が世界初の有人飛行を成し遂げ、同国最大の英雄となってからちょうど52年にあたる同日、プーチン大統領はロシア極東アムール(Amur)州に新設中のボストーチヌイ(Vostochny)宇宙基地を視察。国際宇宙ステーション(Internatonal Space StationISS)に滞在中の各国の宇宙飛行士たちと交信し、2015年に同基地から初の打ち上げを、18年には初の有人宇宙船打ち上げを目指すと述べた。

 露国営テレビが伝えた談話の中でプーチン氏は「素晴らしい発射台ができるだろう。選定には長い時間がかかったが工事は現在、全面的に進行中だ」と述べ、ボストーチヌイ宇宙基地は2020年までに完全に稼働するだろうと付け加えた。

 ロシアの有人宇宙船打ち上げは現在も、ガガーリンが歴史的飛行を達成した時にも使われたカザフスタンのバイコヌール宇宙基地(Baikonur Cosmodrome)から行われている。だが近年、賃貸借条件をめぐるカザフスタン当局との確執が影を落としている。(c)AFP/Stuart Williams