【3月2日 AFP】米民間宇宙開発ベンチャー、スペースX(SpaceX)は、国際宇宙ステーション(International Space StationISS)へ向けて1日打ち上げられた無人宇宙船「ドラゴン(Dragon)」で、スラスター(制御用ロケット)4基のうち3基が始動しないという問題が発生したと発表した。

 ロケット「ファルコン9(Falcon 9)」に搭載されたドラゴンは、米フロリダ(Florida)州ケープカナベラル(Cape Canaveral)から打ち上げられた。だが、ドラゴンが軌道に到着し、ロケットから切り離された直後、スラスターのトラブルが発生。原因ははっきりしていないが、同社を創設した大富豪イーロン・マスク(Elon Musk)氏によると、酸化タンクにつながるバルブが遮断された可能性がある。

 マスク氏は記者会見で、スラスター2基は問題発生から数時間以内に不調から回復し、残り2基もすぐ始動できるだろうと述べた。さらにその後、マイクロブログのツイッター(Twitter)に「スラスター・ポッド4基は現在、問題なく機能している。軌道上昇の準備中。全システム問題なし」と投稿している。

 問題発生以前の計画では、ドラゴンはグリニッジ標準時(GMT)の3月2日午前11時30分(日本時間同日午後8時30分)にISSに到着する予定だったが、一連の点検作業のため、ISSとのドッキングは早くて3日に行われる見通しだという。

 同社にとって2回目となるISS補給ミッションを担うドラゴンには、約544キログラム分の補給物資が積み込まれている。2回のミッションに先立って行われた試験ミッションでは、ほぼ問題がなかった。(c)AFP/Jean-Louis Santini